2023年12月08日

靴がボロボロしている  何でこうなるの?

靴が加水分解すると、その素材が水と接触した結果、化学的に分解してしまいます。主に革製品で起こりますが、他の素材でも起こり得ます。これは靴が劣化し、機能や見た目が損なわれる可能性があります。加水分解が起こる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 水の浸入: 靴が雨や水たまりに浸かることで、靴の内部に水が浸透し、靴の素材が湿ってしまいます。これにより、革が劣化し、接着剤が溶解されるなどの問題が生じます。

  2. 湿度: 靴を湿気の多い環境に長時間置いておくと、靴の素材が湿ってしまい、加水分解が進行しやすくなります。

  3. 高温: 高温の環境下で靴が保管されていると、靴の素材が劣化しやすくなります。特に直射日光や暖房の影響を受けると、加水分解が促進される場合があります。

加水分解が起こった場合、靴の外観や機能性に悪影響が及びます。靴の表面がひび割れたり、変色したりする可能性があります。また、靴の強度が低下し、履き心地や安定性が損なわれることもあります。

加水分解を防ぐためには、靴の保管方法やお手入れが重要です。靴を清潔に保ち、湿気の少ない場所に保管することが大切です。また、靴用の防水スプレーや革用のコンディショナーを定期的に使用することで、靴の耐久性を高めることができます。

これはニューバランスのウェッジヒール部分です。加水分解という症状が発生して崩れてきています。普段あまり履かず、大事に箱にしまっていたり、下駄箱に入れていたりしていざ履こうとしたときこの様になっていることがあります。ウレタン素材は加水分解が起こりやすく、防止するにはできるだけ乾燥の良いところで保管していただき、大事にしまい込まず、ローテーションで週に1~2日は履いていただきたいです。

これはECCOのウレタン系ソールです。柔らかな感触がとても足に優しく、履き心地も良いです。ウレタン素材の特徴は形の自由度があり、溶かして型に充填するだけで作れるのでメーカーとしては使いやすい素材でしょう。

ただ、保管状態が悪いと加水分解という症状が出やすく、素材表面から中まで崩壊してしまうことがあります。下駄箱の中にしまい込んで久しぶりに履こうとしたら地面に黒い色が写ったり、ヒールが割れて歩けなくなったりする例が多く報告されています。このような靴は大事に保管するのでは無く、週に3日づつくらいは履いていただければ加水分解は起こりにくくなります。

これはJOYAというとても柔らかなソールでクッション性がよく、足に優しくウォーキングができる優れものです。ただ、管理が良くないと中間のウレタン層が加水分解を起こし、割れたり、粉々になったりします。写真は粉状になって空洞ができてしまっている状態です。これは毎日のように履いていても起こっていることから、雨の日などの使用後に乾燥させる期間を取っていなかったと考えられます。ウレタン層の使用されている靴は管理が難しいですね。

MBTという特殊な形状のウォーキングシューズです。ミッドソールはウレタン製のため柔らかくクッション性も良く、足の筋肉を鍛えることも出来るようです。ウレタン素材は管理が良くないと加水分解を起こし、素材が崩壊していきます。履かずに1年も下駄箱に入れっぱなしにしているとこんな事になっていることがまま、見受けられます。毎日のように履いていただき履いたら陰干し。そうすれば長く使っていただけると思います。

フットジョイという有名メーカーの高級なゴルフシューズです。ハーフソールラバーが塩ビ系のためか加水分解を起こしています。滑りも起こりやすくなるため、プレーにも支障が出るかもしれません。ゴルフシューズは使用頻度が低いこともあり、加水分解しやすく管理が難しいです。靴の中に湿気取り剤などを入れて乾燥の良い場所に保管してください。

ティンバーランドフィールドブーツです。履き口スポンジの表皮が合成皮革のため経年劣化でぼろぼろしています。見た目も悪いし、表皮が剥がれてくるので汚らしい。乾燥状態を保てばある程度は予防できますが、合成皮革はどうしても避けて通れません。週に1度は履いていただいて湿気取りなどの乾燥剤を靴の中に入れて乾燥の良いところで保管しましょう。

塩ビ系の素材は加水分解が起こりやすいようで、このような事例が多いです。亀裂から割れまで発生しています。できるだけ乾燥の良いところで本幹していただきますようにお願いします。最近の新しいモデルは素材を変えて加水分解しなくなったと言われています。ユーザーの使用状況に左右されるような素材の使用は避けてほしいものです。ちなみにこれはレッドウィング ベックマンです。ファンの多いモデルですね。

靴の適切な保管方法についてお伝えします。

まず、靴を保管する場所は清潔で乾燥している場所が最適です。

湿度の高い場所や直射日光の当たる場所は避けましょう。 靴を収納する際には、靴箱や靴ラックを使用すると良いです。靴箱は靴を保護し、ホコリや汚れから守る効果があります。また、靴ラックは靴を整理するのに便利です。 靴を収納する前には、靴をきれいに拭いておくことが重要です。汚れや湿気を含んだまま収納すると、カビや変色の原因になることがあります。 また、靴を保管する際には、ペーパーなどで靴の形を整えると良いです。靴の中に詰め物をすることで、靴の形を崩れずに保つことができます。 定期的なメンテナンスも靴の保管には欠かせません。定期的にクリーニングや靴磨きを行い、靴の状態を良好に保ちましょう。 これらの保管方法を守ることで、靴を長く美しく保つことができます。

はい、靴の保管場所によって靴の寿命は影響を受けることがあります。 湿度の高い場所や直射日光の当たる場所では、靴の素材が劣化しやすくなります。湿気は革製品を柔らかくし、カビの原因にもなります。また、直射日光は靴の色褪せや変色を引き起こすことがあります。 同様に、湿度の低い場所でも問題が発生する可能性があります。乾燥しすぎると靴の素材が割れたりひび割れしたりすることがあります。 そのため、靴を保管する場所は清潔で適度な湿度を保ち、直射日光を避けることが重要です。クローゼットや靴箱などの保管場所は、湿度や温度を一定に保つ助けになります。 また、保管場所だけでなく、靴の保管方法や定期的なメンテナンスも靴の寿命に影響を与えます。靴をきれいな状態に保ち、定期的なクリーニングや靴磨きを行うことで、靴の寿命を延ばすことができます。 ですので、靴の保管場所は靴の寿命に影響を与える要素の一つですが、保管方法やメンテナンスとの組み合わせが重要です。適切な保管場所と適切なケアをすることで、靴を長く美しく保つことができます。

まずは捨てる前にご相談ください